こどもの日といえば、子供たちの成長をお祝いする大切な日ですよね。
こどもの日に食べるものといえば、あなたは何を思い浮かべますか?
柏餅?ちまき?
どっちを準備すればいいんだろう、なんて悩んだことありますよね。
柏餅もちまきもこどもの日の定番ですが、それぞれを食べることに何か違いがあるんでしょうか。
実は、東西の地域によってこどもの日に食べられているものに違いがあるんです!
今回は、こどもの日に食べられる柏餅とちまきについて、東西でどんな違いがあるのか、また、柏餅やちまきが食べられている理由について紹介していきます。
関東ではこどもの日に「柏餅」を食べる
柏餅は、こどもの日に関東圏で食べられています。
柏餅とは、上新粉から作られたお餅の中にあんこを入れて、カシワの葉で包まれた和菓子のこと。
柏餅が生まれたのは、江戸時代の1700年代後半。意外と遅いんですよね。
その後、参勤交代が行われ、柏餅は少しずつ全国に広がっていくのですが、1930年頃までは関東を中心に食べられていました。
なぜなら、関西ではカシワの葉が手に入りにくかったから。
今でもその名残があるんですね。
柏餅は「子孫繁栄」の縁起物
こどもの日に柏餅を食べる理由を知っていますか?
柏餅に使われている「カシワの葉」は、新しい葉ができるまで古い葉が落ちないとされています。
このことから、家系が途絶えることがない、子孫繁栄の象徴だとして、こどもの日に縁起物として食べられるようになったんです。
その他にも説があります。カシワの葉には殺菌効果があり、お餅を包んで防腐剤のような役割をしていたことから、良好な状態で長く続く、子供たちがずっと元気で成長する、という願掛けをしたんだとか。
縁起の良い葉がつくカシワの木は、昔から「神が宿る木」「神聖な木」として扱われていたんですよ。
関西ではこどもの日に「ちまき」を食べる
一方関西では、こどもの日にちまきを食べます。
ちまきとは、お餅やもち米、うるち米などを三角形や円錐型にして笹の葉で包み、イグサなどで縛ったもの。笹の葉ごと蒸したり茹でたりして食べます。
日本でちまきが食べられるようになったのは、平安時代のことです。
当時の日本は、都が関西にあったこともあり、関西や近畿を中心に西日本に広がっていきました。
関東で柏餅を食べるのが主流になった後も、長く親しんできたちまきが好んで食べられているんです。
このように、食文化の違いには日本の政治の歴史が深く関わっているんですね。
ちまきには「厄除け」の意味が込められている
こどもの日にちまきを食べる風習は、中国の楚の有名な詩人である屈原(くつげん)という人物が関係しているとされています。
屈原は国王の側近として仕えており、その人柄から人々にとても慕われていたんですが、陰謀により失脚させられ、投身自殺をはかってしまいます。
そのことを悲しんだ人々が、投身自殺をはかった川に、供養としてちまきを投げ込んだそう。
その際に、悪いものに横取りされず、屈原の元までちゃんと供物が届くように、葉で包み、邪気をはらう5色の糸で縛って川に投げ入れたところ、無事に屈原のもとに届いた、と言い伝えられています。
以上のことが始まりとなって、中国では屈原の命日である5月5日にちまきを食べる習慣ができ、端午の節句と合わせて日本に伝わってきました。
子供たちに免疫をつけ、立派な体を手に入れて、病気や災いなどから遠ざけてほしいという願いが込められていたんです。
まとめ
今回はこどもの日に柏餅とちまきではどっちを食べるのか、東西での違いを解説しました。
- 関東で柏餅、関西でちまきが食べられている
- 柏餅は子孫繁栄の縁起物とされている
- ちまきには厄除けの願いが込められている
こどもの日に何気なく食べていた柏餅やちまき。
食べられている地域に違いがあったり、子供を大切に思う気持ちが込められていたり。
意味や理由を知ると、より美味しく食べられそうですね。
どっちも食卓に並べて、食べ比べをしてみるのもいいかもしれませんよ。