7月はムシムシとした梅雨の時期が終わり、いよいよ夏本番となる月ですね。
ビジネスにおいても時候の挨拶を取り入れた文章を送るときは、夏の挨拶が主となります。
ビジネスレターをつくるとき、時候の挨拶「例：初夏の候～」に当てはまる季語はしっかり調べるけど、結びの言葉は同じ慣用句を使いまわしにしてませんか？
結びの言葉まで相手を気遣った内容になっていれば、より気持ちいいですよね！
今回は７月のビジネスで使える時候の挨拶と結びの挨拶の例文を紹介します。
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。※時候の挨拶
平素は格別のご高配を賜り、心から感謝いたしております。
さて、（主文）
つきましては、(主文)
皆様の一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。※結び
敬具
時候の挨拶とは？
時候の挨拶とは、文頭に季語を用いた挨拶で、ビジネスレターなどかしこまった手紙や文章に用いります。
時候の挨拶には「漢語調」と「口語調」の２通りがあります。
使い分けは下記で覚えましょう。
- 漢語調・・・目上の人やビジネス等、かしこまった文書をかくとき
- 口語調・・・ビジネスでも親しみやすい文書をかくとき ※カジュアルな感じ
それでは、それぞれの例文を紹介します。
【7月】時候の挨拶の例文 ※漢語調
「〇〇の候」という漢語調の慣用句を使用した挨拶を、適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて紹介します。
【7月】上旬
7月上旬は「小暑」、「向夏」、「盛夏」を使用します。
- 小暑の候、貴社ますますご清祥のことと存じます。
→小暑(しょうしょ)は七夕の時期を指します。
梅雨明け時期から使用するのが良いです。 - 向夏の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
→向夏(こうか)は夏に向かっているという意味です。 - 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
→盛夏(せいか)は一番熱い夏を意味しますが、上旬から使用してもOKです。
【7月】中旬
7月中旬は「夏祭」、「大暑」、「暑中」を使用します。
- 夏祭の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
→夏祭(なつまつり)の時期をいいます。 - 大暑の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
→大暑(たいしょ)はとても暑い時期を意味します。 - 暑中の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→暑中(しょちゅう)は、暑い時期がつづくという意味です。
【7月】下旬
7月下旬は「灼熱」、「酷暑」、「三伏」を使用します。
- 灼熱の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
→灼熱(しゃくねつ)は、焼けつくような暑い時期をいいます。 - 酷暑の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→酷暑(こくしょ)は、厳しい暑さという意味をさします。 - 三伏の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→三伏(さんぷく)は、夏の最も暑い時期をさします。
【7月】時候の挨拶の例文 ※口語調
口語調は漢語調より、表現をソフトにした季節の挨拶となります。
適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて紹介します。
【7月】上旬
梅雨明けの時期に適した表現がポイントとなります。
- 長かった梅雨も明け、本格的な夏が訪れました。皆様お元気にお過ごしでしょうか。
- この梅雨が明けましたらいよいよ夏本番の到来ですね。皆様にはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。
- 梅雨明け十日の晴天が続いております。皆様にはご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
【7月】中旬
暑さが続く厳しい時期ですので、相手の健康を気遣った表現がおすすめです。
- 慣れない暑さが続きますが、お障りなくお過ごしでしょうか。
- 一際暑い夏が続きますが、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 耐え難いような暑さの毎日が続いていますが、お変わりございませんか。
【7月】下旬
暑さがピークの時期です。
中旬同様に相手の健康を気遣った気持ちを表現しましょう。
- 連日寝苦しい夜が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 蝉時雨が賑やかに降り注ぐ季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- 日照り続きの毎日に、外出もひかえがちとなっておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
結びの挨拶とは？
文章を締めくくる言葉です。
相手に対して、最後まで思いやりの気持ちを添えるものになります。
ビジネスの場では繁栄や活躍を祈る気持ちを伝えることがマナーとなります。
- 皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 皆様の一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。
上記のような一般的な慣用句もよいですが、連絡をする時期や相手の状況を加味した言葉にすることで、より印象が良い文章となります。
【7月】結びの例文
適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて、結びの例文を紹介します。
コロナ渦の表現も含めた例文も含めています。
【7月】上旬
梅雨明けの時期に適した表現がポイントとなります。
- 梅雨明けの暑さひとしおでございます。何卒ご自愛の上、ご活躍ください。
- 盛夏の折柄、皆様のますますのご健勝と貴社のご繁栄をお祈り申しあげます。
- これから夏本番ですが、どうかお元気でお過ごしくださいますようお祈りいたします。
- コロナの影響であらたな生活様式への戸惑いもあると存じますが、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
【7月】中旬
暑さが続く厳しい時期ですので、相手の健康を気遣った表現がおすすめです。
- 今年の夏は例年にない暑さかと申します。皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします。
- 皆様おそろいで、ご壮健にてこの夏を乗り切られますようお願い申し上げます。
- 暑さ厳しき折、ご自愛のほどお祈りいたします。
- 先を見通しづらい状況ではありますが、貴社の皆さまのご健康と、益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
【7月】下旬
暑さがピークの時期です。
中旬同様に相手の健康を気遣った気持ちを表現しましょう。
- ますますの酷暑にお身体を崩されませぬよう、どうかご自愛専一にお過ごしください。
- 寝苦しい熱帯夜が続きます。どうかお体大切に。
- 時節柄、お体には十分お気をつけください。
- コロナ渦において酷暑も続き何かと不便の多い今日ですが、この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っております。
時候の挨拶や結びの挨拶の目的は“相手への気遣いの気持ち”です。
例えば、九州地方と東北地方の梅雨が明けるタイミングは異なりますよね。
気候は土地によって異なるため、相手がいる環境を想像して文章をつくる点が重要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
結びの挨拶パターンを少し変えるだけで、相手への気遣いが伝わりやすくなりますよね。
一般的な結びの挨拶もよいですが、季節を感じさせる結びの言葉でしめくくることで、一つ上のビジネスマンになれます。
今回は例文パターンを紹介しましたが、相手との関係性に合わせてご自身の言葉で表現してみるとより個性的になり、魅力的な文章になります。
相手への気遣いを第一に、是非参考にしてみてください。
