5月のイベント

柏餅の葉っぱは食べるの?地域で違う風習を紹介!

柏餅 葉っぱ 食べる

端午の節句に食べられる柏餅。

柏の香りがとてもよく美味しいですよね!

柏餅の葉っぱは、香りを楽しむためだけのもので食べれないのでしょうか?

それとも、柏餅と似たような形の桜餅の葉っぱと同様に柏餅の葉っぱも食べられるものなのでしょうか?

今回は柏餅の葉っぱについて食べられるのか、地域によって違う風習を紹介します。

柏餅の葉っぱは食べる?食べれない?

柏餅

結論から言うと柏餅の葉っぱは基本的には食べません。

柏の葉っぱはお餅に香りをつけ、風味をよくするものであり、食べることを想定して調理されていません。

柏餅の葉を食べても毒はありませんが、とても丈夫な葉っぱのため

  • 葉脈の筋が口に残る
  • 葉っぱの青臭さを感じる

これらのことから、せっかくの美味しいお餅と餡子の味や食感を邪魔してしまうものになります。

ですが、捨てるなんてもったいないから食べれるならば食べたい!

という場合はよく火を通したら柔らかくなり、少しは食べやすくなるようです。

加熱する場合はお餅と一緒に蒸し器で蒸す、電子レンジで加熱する、熱湯にさらす、などの調理方法があります。

柏餅葉っぱくっつかない方法
柏餅の葉っぱがくっつかない方法とコツは?柏餅の葉っぱがくっついたとき簡単に剥がす方法とコツをご紹介。柏餅の葉っぱを簡単に剥がして、ストレスなく食べれる方法を詳しくまとめていきます。...

柏餅に柏の葉が必要な理由とは?

柏の葉食べられないことがわかった柏の葉っぱ。

先ほど説明した通り、柏の葉は柏餅に香りを付け風味をよくするためだけのものなのでしょうか?

じつはそれだけではありません!

柏の葉で包むことによって他にも様々な効果がありました。

乾燥防止

江戸時代からある柏餅ですが、江戸時代にはラップなんてありませんよね。

ラップで保護しなければ翌日にはお餅が固く乾燥してしまいます。

ところが、柏の葉っぱで包むと、ラップ代わりになり乾燥を防ぐことができます。

殺菌作用

柏の葉っぱにはオイゲノールという成分が含まれています。

このオイゲノールは殺菌作用があります。

ラップ同様、江戸時代には冷蔵庫もありませんよね。

そこで殺菌作用のある柏の葉っぱで包むことで柏餅を傷みにくくしたとされています。

包み紙代わりとして

柏餅は包んである柏の葉っぱにもぴったりとくっついてなかなかはがれません。

もし、柏の葉っぱがなければお皿や手にくっついてべたべたになってしまします。

そこで柏の葉っぱで包むことでお皿や手を汚さないようにするために包まれているのです。

柏餅の葉っぱは地域によって違うの?

クエスチョン

1930年代ごろまでは柏の葉っぱを使った柏餅は東でのみ食べられていたのです。

柏の葉っぱの自生が少なく、入手困難であった西日本ではサルトリイバラの葉っぱで挟んだものを柏餅として普及しました。

その後、海外から柏の葉っぱが輸入できるようになり、全国的に柏の葉っぱを手にいれることができるようになりました。

そして、現在の柏の葉っぱで包む柏餅が主流となりました。

柏餅 食べる理由
柏餅を食べる理由の意味と食べる日の由来とは?端午の節句で柏餅を食べる理由はなんでしょうか。なぜ柏餅を食べるのか、理由や意味、由来について徹底解説しています。...

ところで、柏の葉っぱで包んでいるから柏餅という名前ではないの?

サルトリイバラの葉っぱで挟んでも柏餅と言ってもいいの?という疑問が出てきますよね。

かしわ餅のかしわという言葉は、柏から由来しているのではなく、炊葉(かしわば)という言葉から由来したものです。

炊葉とは、食べものを包む葉っぱのことを言います。

なので、サルトリイバラの葉で挟んだ餅をかしわ餅と呼んでも問題ありません。

このサルトリイバラの葉っぱの場合若い葉やツルの先端は食べられます。

春から初夏までの、葉が柔らかい時期が収穫時期になります。

エグ味があるので、アク抜きをしてからお餅と一緒に蒸すと食べられるようになります。

お餅の中身は地域によって違いはあるの?

葉っぱの違いが分かったところでお餅の中身ですが、時代によって変化はあったようで江戸時代で誕生した当時は味噌餡が主流だったようです。

現在では味噌餡もありますが小豆餡が主流ですよね。

しかし、京都の一部地域では白味噌餡を用いて作ることもあるそうです。

そこで、葉っぱに包まれると中身が小豆餡なのか、味噌餡なのかわからなくなってしまいますよね。

実は、

  • 裏が内側に包んであるものは小豆餡
  • 表が内側に包んであるものは味噌餡

とお餅を割って確認しなくても葉っぱの向きで分かるようになっているのです!

その他に地域によって違う風習はあるの?

そもそも、端午の節句で関東では柏餅・関西ではちまきを食べる傾向があるようです。

その理由は、5月5日にちまきを食べる風習は奈良時代に中国から伝わりました

中国では子供が忠誠心の高い立派な人になって欲しいという願いを込めてちまきを子供に食べさせました。

この風習は当時都があった関西に伝わったため、ちまきを食べる風習は、奈良から西日本へ広がりました。

こうして関西では、端午の節句にちまきが食べられるようになりました。

江戸時代の武家社会に由来する食べ物として柏餅が広く浸透します。

その当時幕府があったのが関東であったために関東では柏餅が主流になったのです。

食文化の成り立ちは食べ物が生まれた当時の都の位置であったり、歴史が関係してくるのですね。

まとめ

柏餅の葉っぱは硬く、筋があり食べられるように処理されていないことから基本的には「食べない」が正解でした。

柏餅の由来が柏の葉っぱからではなく、炊葉という言葉から由来されていたこと。

関西ではサルトリイバラの葉を使用し作られていたことには驚きですね。

柏餅もちまきもどちらも子供のことを思って食べられることには変わりがないので、食べ比べをしてみても面白いかもしれませんね。