春が近づくと食べる機会の増える柏餅と桜餅。
どちらも優しい甘さで、お茶請けにぴったりです。
柏餅か桜餅、どちらを買おうかな、なんて悩むこともありますよね。
もちもちのお餅の中に甘いあんこ、どちらも葉に包まれていて同じような見た目をしています。
何が違うの?そう思いませんか?
実は、お餅にも包んでいる葉にも、はっきりとした違いがあるのです。
今回は柏餅と桜餅の違いについて、お餅と葉、2つの観点から紹介します。
また、食べる時期の違いについても解説します。
【柏餅と桜餅の違い】使われているお餅が違う!
どちらもモチモチとしたお餅が特徴的ですが、違いはそのお餅にあります。
それぞれお餅に使われている材料の違いを紹介していきます。
柏餅は上新粉を使う
柏餅に使われているお餅は、上新粉という粉から作られています。
上新粉とは、うるち米を精白、水洗いして、乾燥させた後に粉状にしたものです。
また、柏餅には白、ピンク、緑というように違う色のものがありますよね。
ピンク色の柏餅は食紅によって色が付けられており、緑色の柏餅にはヨモギが混ぜ込んであります。
桜餅は関東と関西で使う粉が違う
一方で、桜餅は地域によって食べられているものが異なるのです。
関東では小麦粉と水を合わせて薄く焼き、クレープのようにあんこを包む柏餅が食べられています。これは長明寺餅とも言われます。
関西では道明寺粉という粉からお餅が作られます。こちらは道明寺餅とも言われます。
道明寺粉とは、もち米を蒸して乾燥させてから粉状にしたものです。
つぶつぶとした食感が特徴的ですよね。
このように、柏餅と桜餅には、お餅の原材料に大きな違いがあるのです。
【柏餅と桜餅の違い】お餅を包んでいる葉が違う!
どちらも同じような葉に包まれているように見えますが、違いが隠されています。
柏餅の葉っぱはカシワの木の葉
柏餅の葉は、主にカシワの木の葉を使っています。
カシワの木というのはドングリの木の仲間で、葉の表面がツルツルしているのが特徴です。
そのためお餅が引っつきにくく、お餅を包むのにぴったり。
また、柏餅の葉には塩漬けなどの加工はされておらず、食べるための葉っぱではないのです。
実は、カシワの葉には、保存するためのお皿や容器の役割があります。
これは、保存容器のない昔、丈夫で破れにくいカシワの葉をお皿や保存容器の代わりに使っていたことに由来します。
桜餅の葉っぱはオオシマザクラの木の葉
柏餅の葉とは異なり、桜餅の葉は塩漬けの加工がされています。
一般的に、大島桜(オオシマザクラ)という木の葉が使われており、葉に毛がなく、1つの葉が大きいことが特徴です。
桜の葉は傷みやすいため塩漬けにされており、一緒に食べることができますよ。
また、サクラの葉特有の香りをお餅にうつし、乾燥を防ぐ効果もあります。
どちらの葉っぱも、ただお餅を包んでいるだけでなく、たくさんの役割があるのですね。
柏餅と桜餅はいつ食べるの?
どちらも年中美味しくいただけますが、柏餅はこどもの日に、桜餅はひな祭りに用意するのが定番ですよね。
柏餅を子供の日に食べる理由は、カシワの葉にありました。
カシワの木は、新しい葉が育つまで古い葉が落ちることがありません。
これが家系が絶えないことを連想させ、「子孫繁栄の縁起物」とされているのです。
一方で、桜餅をひな祭りに食べることには大きな理由はないようです。
強いて言うのであれば、ひな祭りといえば桃の節句、桜餅のきれいなピンク色がぴったりだということでしょうか。
春らしい和菓子で、女の子のお祝いにはぴったりですもんね。
まとめ
今回は柏餅と桜餅の違いについて紹介しました。
- お餅を作るために使われている材料が違う
- 包んでいる葉の種類や役割に違いがある
- 食べるとよいとされている行事に違いがある
同じように見えますが、たくさんの違いがあります。
柏餅と桜餅はセットになって売られていることも多いですよね。
違いを知って、それぞれを食べ比べしてみるのもいいかもしれませんね。
正しく理解して、柏餅と桜餅を美味しくいただきましょう!