9月は暑かった夏から過ごしやすい秋へと季節の変化を感じやすい時期ですね。
ビジネスにおいて時候の挨拶を取り入れた文章を送るときは、秋晴など夏が終わり秋の澄み渡るような天候を表す言葉を使います。
ビジネスレターをつくるとき、時候の挨拶「例：初夏の候～」に当てはまる季語はしっかり調べるけど、結びの言葉は同じ慣用句を使いまわしにしていませんか？
結びの言葉まで相手を気遣った内容になっていれば、より気持ちいいですよね！
今回は9月のビジネスで使える時候の挨拶と結びの挨拶の例文を紹介します。
拝啓 初秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。※時候の挨拶
平素は格別のご高配を賜り、心から感謝いたしております。
さて、（主文）
つきましては、(主文)
皆様の一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。※結び
敬具
時候の挨拶とは？
時候の挨拶とは、文頭に季語を用いた挨拶で、ビジネスレターなどかしこまった手紙や文章に用いります。
時候の挨拶には「漢語調」と「口語調」の２通りがあります。
使い分けは下記で覚えましょう。
- 漢語調・・・目上の人やビジネス等、かしこまった文書をかくとき
- 口語調・・・ビジネスでも親しみやすい文書をかくとき ※カジュアルな感じ
それでは、それぞれの例文を紹介します。
【9月】時候の挨拶の例文 ※漢語調
「〇〇の候」という漢語調の慣用句を使用した挨拶を、適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて紹介します。
【9月】上旬
9月上旬は「白露」、「秋涼」、「新秋」を使用します。
- 白露の候、貴社ますますご清祥のことと存じます。
→白露(はくろ)は大気が冷えて草木に霜がつく時期を意味します。 - 秋涼の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
→秋涼(しゅうりょう)は秋の涼しい風を感じる時期を意味します。 - 新秋の候、貴社におかれましては益々ご清祥のことと存じます。
→新秋(しんしゅう)は秋の始まりの時期を意味します。
【9月】中旬
9月中旬は「秋分」、「秋晴」、「孟秋」を使用します。
- 秋分の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→秋分(しゅうぶん)は、昼と夜の長さが同じに感じる季節の変わり目を意味します。 - 秋晴の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
→秋晴(しゅうせい)は秋の澄み渡る時期を意味します。 - 孟秋の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
→孟秋(もうしゅう)は秋の初めの月を意味します。
【9月】下旬
9月下旬は「仲秋」、「爽秋」、「秋冷」を使用します。
- 仲秋の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→仲秋(ちゅうしゅう)は、秋の中頃という意味です。
時候の挨拶では下旬に使用します。 - 爽秋の候、貴社いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
→爽秋(そうしゅう)は、爽やかで心地よい秋を意味します。 - 秋冷の候、貴社益々ご繁栄のことと心からお喜び申し上げます。
→秋冷(しゅうれい)は、秋になって冷たく感じる冷気を意味します。
【9月】時候の挨拶の例文 ※口語調
口語調は漢語調より、表現をソフトにした季節の挨拶となります。
適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて紹介します。
【9月】上旬
季節は変われどまだまだ暑さを感じる時期です。
夏の暑さを労う言葉や涼しさを感じはじめる秋の訪れを感じさせる言葉がポイントです。
- まだまだ暑い日々が続きますが、お変わりございませんでしょうか。
- 初秋の季節とはいえ暑い日が続きますが、ご機嫌いかがでしょうか。
- 暑さも日に日に和らぎ、秋の季節を感じておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
【9月】中旬
9月中旬になると暑い日がなくなり涼しい時期となるため、“暑さ”を表す言葉は不要となります。
- 夏の暑さも落ち着き過ごしやすい日々が続きますが、お健やかにお過ごしのことと存じます。
- 虫の音に秋の訪れを感じる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 清々しい秋晴の季節となりましたが、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
【9月】下旬
秋も深まり肌寒い時期となります。
気候の変化に体調を気遣う言葉がポイントです。
- 朝夕はしだいに肌寒さを感じるころとなりましたが、ご健康にはくれぐれもお気をつけください。
- 一雨ごとに秋気深まる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
- 近頃は肌寒さを感じる朝も増えましたが、ご体調はいかがでしょうか。
結びの挨拶とは？
文章を締めくくる言葉です。
相手に対して、最後まで思いやりの気持ちを添えるものになります。
ビジネスの場では繁栄や活躍を祈る気持ちを伝えることがマナーとなります。
- 皆様のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 皆様の一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。
上記のような一般的な慣用句もよいですが、連絡をする時期や相手の状況を加味した言葉にすることで、より印象が良い文章となります。
【9月】結びの例文
適した時期ごと（上旬・中旬・下旬）に分けて、結びの例文を紹介します。
コロナ渦の表現も含めた例文も含めています。
【9月】上旬
まだまだ暑さの残る時期です。
夏の暑さを労う言葉や涼しさを感じはじめる秋の訪れを感じさせる言葉がポイントです。
- 残暑でお身体を崩されませんよう、くれぐれもご留意ください。
- 9月に入り、肌寒い日が続くようになります。どうかご自愛ください。
- コロナの影響であらたな生活様式への戸惑いもあると存じますが、皆様のご健康をお祈り申し上げます。
【9月】中旬
9月中旬になると暑い日がなくなり涼しい時期となるため、“暑さ”を表す言葉は不要となります。
- 爽快感のある秋晴れも続き、過ごしやすい季節となりました。
- 近頃は肌寒さを感じる朝もあります。お身体には十分お気をつけください。
- コロナ渦、先を見通しづらい状況ではありますが、皆さまのご健康をお祈りしております。
【9月】下旬
秋も深まり肌寒い時期となります。
気候の変化に体調を気遣う言葉がポイントです。
- 秋雨の季節、体調を崩されませんようくれぐれもご自愛ください。
- 新秋の折、貴社の更なるご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 風が心地よく過ごしやすい季節になりましたが、コロナの感染対策をしっかりとなさってくれぐれもご自愛ください。
時候の挨拶や結びの挨拶の目的は“相手への気遣いの気持ち”です。
例えば、九州地方と東北地方の梅雨が明けるタイミングは異なりますよね。
気候は土地によって異なるため、相手がいる環境を想像して文章をつくる点が重要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
結びの挨拶パターンを少し変えるだけで、相手への気遣いが伝わりやすくなりますよね。
一般的な結びの挨拶もよいですが、季節を感じさせる結びの言葉でしめくくることで、一つ上のビジネスマンになれます。
今回は例文パターンを紹介しましたが、相手との関係性に合わせてご自身の言葉で表現してみるとより個性的になり、魅力的な文章になります。
相手への気遣いを第一に、是非参考にしてみてください。
